底地というのは、借地権の付着している宅地におけるその宅地の所有権のことをいいます。 つまり、底地は、宅地に建物の所有を目的とする地上権や賃借権を設定した場合の、その宅地の所有権を指します。
所有権に地上権や賃借権を設定すると、地主に帰属する不完全所有権と、借地人に帰属する借地権に分かれますが、この不完全所有権が底地になります。 よって、底地の価格と借地権の価格とは、密接な関連があるといえます。
不動産取引においては、次の債務は同時履行の関係にあるのが原則です。 ■所有権移転登記の申請手続きと目的物の引渡しという売主の債務 ■売買代金の支払いという買主の債務 しかしながら、金融機関が買主に融資する場合は、担保を確保するため、売主が最終代金を受け取る前に、目的物の所有権移転登記等を金融機関から求められることがあります。 実務上、先行登記というのは、このことをいいます。 なお、先行登記に伴う売主のリスクを回避するために、実務上は、売主に借入金の受領権限を与える措置が取られています。